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16日の15:30頃、携帯に着信音が鳴った。鳴って欲しくない時間帯の着信音だった。

団体戦の決勝戦ともなれば、夕方の16時はまわるのが普通だと思っていたところに、思わぬ早い時間帯の電話は嫌な予感しかない。というか、予想より早い電話は嫌な知らせ以外聞いたことがない(笑)。

電話をとった早々、お母ちゃんから慎之介に電話相手が変わった。

「もしかして…」と瞬間的に思ったが、しかし時間帯が早すぎる。
「僕がんばったけど…」次の瞬間に頭をよぎった文句だったが、

「優勝したよ!」と慎之介の一言。
合間をぬって電話を掛けてくれたらしく、その一言で会話は終了。でも、それで十分でした。

とにかくお盆の時期の大会。地元ならまだしも、他府県から来る道場はやる気マンマンのところばかり。関西を中心に14府県の強豪道場が続々集結。とにかく優勝して来いと送り出したものの、私はとても高いハードルだと見ていました。

4年生以下の低学年の部・5人制団体戦先鋒、慎之介の戦うポジションだ。前3人が3年生、後ろ2人が4年生の構成で挑む洗心道場低学年チーム。5団体によるリーグ戦で1位しか決勝トーナメントに上がれないシステムは、予選から厳しい戦いでした。

慎之介は予選において初戦引き分け。いつもながらエンジン始動に少し時間の掛かるタイプです。しかし2試合目以降の予選3試合は2本勝ちを収めており、エンジンが掛かったみたいです。

それでも予選はギリギリの通過。せた魂さんとの予選同組は正直焦りました。

決勝トーナメントはシードで2回戦から登場。決勝トーナメントに上がってきたところは、どれもが名前の知れた道場ばかりで、その全ての組み合わせが決勝戦でもおかしくないくらいの顔ぶれでした。

そして決勝トーナメントの初戦の相手は嬉野さんとの対戦。すでに1つ勝ち上がってきてるだけに、その勢いも要注意です。しかし、慎之介は終了間際に「メン」を決めて1本勝ち。その慎之介の取った1勝をみんなが無難に守りきり、そのまま1-0で勝利。

準決勝は太秦さんで、慎之介はまたも終了間際に「デコテ」を決めて1本勝ち。その後1-1となり代表者戦で勝利。

慎之介の2試合連続終了間際の1本に、「わざとやってるだろ~。」と言われたみたいです(笑)。

決勝は真武館さんで、慎之介はここぞで1本負け。その後大将戦で1-1として追いつき、代表者戦で勝って見事優勝!とにかく、洗心チームの反則レベルの絶対的大将が、いかんなくその力を魅せつけてくれました。

それにしても、なかなか1本取ることすら難しかった決勝トーナメント。一番大事な決勝で負けたものの、2回戦・準決勝と切り込み隊長として勝つことが出来た事実は、結果的に苦しいスコアーでの勝ち上がりだった故に、それなりに先鋒の役割を果たせたのではないでしょうか。

慎之介の今大会においては、勝つことの難しさを味わうと同時に自信も得ることが出来たことでしょう。そして慎之介自身の剣道に対する意識向上も、今回の成果として大きなところでした。

でも慎之介は1つの不満を持っていました。
「優勝したのに、賞状もカップもトロフィーも自分の物が無い。とにかくメダルが無い。」
「34の竹刀はもらったけど俺まだ32だし、サイズUPするにしても33だし。」
と漏らしておりました(笑)。

慎之介にとって初めての団体戦優勝だったので、何かそれを表するものが欲しかったのでしょう。

「愛知洗い人」 木村 照臣

 

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