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4年生以下団体戦低学年の部決勝。大将戦が引き分けで終わるブザーが鳴ると、1-1の本数差で我が洗心低学年Aチームの敗退が決まり、準優勝で終わった。

チームの5人が駆け足でコートの反対側で整列し、最後の礼式。そして駆け足でまた戻ってくる。

我慢はしていたけれど、やはり誰かが泣き出せば堰を切ったようにみんなが泣き出した。それだけ気持ちの入った試合だったのだろう。

どの部門においても、今や全国大会レベルと評される「近藤杯」。特に4年生以下の団体戦低学年の部は、日本一レベルが高い大会と言われています。今のチームになってからは、もちろん最初からここでの優勝が最大目標でした。

前は3年生3人の後ろは4年生2人で、いつもの低学年Aチーム。慎之介は次鋒にて挑みました。

大会前日の錬成会は全国各地より強豪道場が集い、明日に向けての偵察・探り合いの感もあります。もはや、ただの練習試合の感じもしません。

慎之介の個人的な成績は、12勝2敗3分の前日錬成会。全ての対戦が名立たる道場ばかりでしたが、昭島さんのA・Bチームにそれぞれ負けました。特にBチームの「2年生に負けた!」となった慎之介。そこで「あれっ!」と思ったらしいですが、それで精神的に落ちて行ってしまいました。

家に帰ってきても表情が暗いまま。明くる朝、精一杯の言葉を掛けて送り出すも、不安いっぱいの気持ちは変わらなかったみたいです。

そしてその不安はそのまま試合結果に出ました。

ブロック準決勝・決勝と負けてきました。チームのみんなのおかげで勝ち上がってはいますが、このままでは優勝が難しくなります。他のみんなは満面の笑顔で次の試合への意気込みを語っていますが、慎之介1人暗い表情のまま。

こうなったら「褒め殺し」とばかりに励ましてくれるのですが、なかなか気持ちというのは簡単にはいかないようです。

ブロックを勝ち上がった4チームにて、最後のトーナメント。準決勝の前には私にも電話を掛けてきました。

チームは勝って決勝に進んだものの、準決勝も慎之介は負けてこれで3連敗。しかも決勝は圧倒的な強さで勝ち上がってきた岐阜の緑苑さん。決勝の慎之介の相手は、今までの相手以上に強い選手であることは、過去の対戦からも承知しているはずです。

決勝戦は各部門一斉に行われるため、決勝進出チーム全てが決まるまで少し時間がありました。

目を閉じさせて良かった試合のイメージをさせたり、強かった自分を思い起こさせるように努力したみたいです。それでも通りかかったN先生を捕まえ事情を説明して、慎之介に声を掛けてもらいました。

「いままでの慎之介は捨てろ。今からNEW慎之介だ!」

そんな一声から始まりいろいろとお話をして下さいました。

そんな甲斐があったのか、最初の一打で「コテ」を決めて1本奪取。このまま、このままの思いで見ていたお母ちゃんにとって、人生で一番長い2分を味わったことでしょう。

それでも慎之介は1本取った後も決して守ることなく攻めていました。あわよくば1本になりそうな一撃も見られると、最後の最後に自分を取り戻した慎之介にお母ちゃんは目に涙を溜めておりました。

きっと今までも調子が悪かった訳ではないのだと思います。ちょっとした心の持ち方で結果が180度変わってしまう。小学校3年生なれば意外とそんなところかも知れません。初動において0.1秒以下の世界の勝負。全てにおいて万全でなければ、このクラスの大会では勝てるはずもありません。

それでも自分が最後に勝てたからといってもやはりチームが準優勝で終わると、嬉しさよりも何万倍も悔しい気持ちが強いのが当たり前。チーム全員で流した涙は、これからの人生において宝物になるでしょう。写真は泣きはらした後の顔がありありです。

チームの子供達、ありがとう。この様な舞台に立てること戦えること、親としても誇りに思いました。慎之介、来年は「近藤杯」優勝しような。

そう言えば、凛之介も低学年Dチーム先鋒で出ました。

毎回思いますが、言われなければ誰もが年長さんだとは思わないだろうなと思います。萌木剣道教室Bチームと言えども関東強豪道場のBチーム、弱いはずがありません。

そんな相手に凛之介は何と、堂々と引き分けてきました。立派なもんです。ちなみに前日錬成会の凛之介の成績は、2勝6敗3分でした。

夜は慎之介の準優勝のご褒美で、お爺ちゃんがサルバトーレでご馳走してくれました。疲れきっていたお母ちゃんにとって、願ったり叶ったりのお食事。

でも朝4時起きの子供達、凛之介は食事中に、慎之介はわずか3分程度の帰りの車中で就寝してしまいました。

せめてお風呂に入って欲しかった~。特に慎之介、頭が臭い(笑)。

「愛知洗い人」 木村 照臣

(株)木村クリーニング

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