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「放課から来てよ。運動場で遊ぶから見ていて。」

そっか、そんなに自分を見てもらうことが嬉しいのかと思い、家の目の前にある小学校へと急ぎ向かった。慎之介はまだ小学校2年生だ。

私:「慎之介~、お父さん来たよ!」
慎之介:「教室は向こうだから、行ってていいよ~。」

おい、話が違うぞと思いつつ、そう言われたので仕方なく教室へと向かった。

集合20分前、やっちまった~。完全に一番乗り。3分前に出ても教室までたどり着く距離にも関わらず一番乗り。余りにも気合が入っているようで、妙に恥ずかしい。まあ、このことは良しとしよう。教室の内外に掲示されいるクラスのみんなの制作物を、ゆっくりじっくり見ることがおかげで出来た。

さて、今日の授業参観のテーマは「大きくなって出来るようになったこと。」。今日のコラムはこっからが本題言えよう。慎之介らしい3つの事柄を書いていきたいと思う。

1 絵について
「家」というテーマで全ての絵が書かれていた。「たのしい家」「将来の家」「かわいい家」など、自分の家又は将来のことを想い家族みんなの絵が描かれていた。慎之介の描いた絵の題名は「冬の家」。意味が分からない。あえて理由を付けるなら冬に描いたから?確かに雪が降っている様子は絵から伺える。まあそんなことはまだいい。描かれた絵には、慎之介とお母さんはいるが、私と弟の凛之介がいない。もう1回言っておこう。私がいない。それって、どないやねん!

2 出来るようになったことの発表
慎之介は縄跳びをすると言っていた。他にも縄跳びを選択した子は多いらしい。座っている席の足元にいくつもの縄跳びが見える。しかしながら一抹の不安を覚えたのは、慎之介の座っている足元にはそれが見えなかった時だ。こいつ、もしかして縄跳びを忘れたのか~。最初の縄跳びグループで終わった子の縄跳びを案の定借りていた。遠足におやつを持っていくのを忘れたのと、同じレベルじゃないか。それって、どないやねん!

3 親へ感謝の手紙
最後に、親への感謝の気持ちを手紙としてを発表するみたいだ。みんなが一斉に後ろの自分のロッカーか机の中に置いてある手紙を取りに行く。それぞれの親の元に駆け寄っては手紙を読み始める。涙ぐんでいる人もいる。そんな中、人が多いので手紙を取ることに少々手間取っているのかも知れないが、慎之介がなかなか前に表れない。やっとのこと来たと思ったら、「自分で読んで」。おいこら、それって、どないやねん!

教室を後にし家までの僅かな間、「どうして慎之介はああなのだ。」と疑問を投じた。しかし、その疑問は直ぐに解けることとなる。別に忘れていた訳ではないが、慎之介は私の子供だった。あっ、最後に細かいことだけどもう1つ。「お母さん・お父さんへ」じゃなくて、普通「お父さん・お母さんへ」だから(笑)。

「愛知洗い人」 木村 照臣

(株)木村クリーニング

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